サンプルの測定中にブレードに作用する軸方向の力と回転方向の力を連続的に測定し、それらから行われた仕事量(測定中に消費されたエネルギーを算出します。このエネルギーは基本流動性エネルギー(BFE)と呼ばれます。BFEはコンディショニングされた状態にある粉体の流動性指標です。
従来の方法の問題点は試験者による差違とサンプルの充填条件の変動ですが、これらは標準化された充填状態を準備する自動化された手順を用い、その後測定を行うことによって最小限にできます。この「コンディショニングサイクル」によりサンプルを緩やかに撹拌して均質で再現性のある充填状態を確保することができます。結果として再現性の高い結果が得られます。
図1は毎回コンディショニングを行った7回の測定結果およびブレード速度を変化させた際の測定の結果です。最初の3回目までの測定結果は多くの粉体サンプルが安定化する場合にみられる典型的な例です。通常はこれは空気(この場合は空気の除去)に起因すると考えられますが他の要素も関係しています。7回目の測定値をBFE値とします。

図1.安定性試験と流速変化試験における測定結果
流動速度が速いとしばしば粉体間に介在する空気の量が多くなり、粒子間相互作用が減少し、流動エネルギーの低下がみられます。しかしこれはいつもではなく、図2の種々のカーブが示すようにいろいろなケースがあります。この実験ではブレード先端速度を100mm/s から10mm/s に減少させて流動速度を変化させています。流動速度が速いとしばしば粉体間に介在する空気の量が多くなり、粒子間相互作用が減少し、流動エネルギーの低下がみられます。しかしこれはいつもではなく、図2の種々のカーブが示すようにいろいろなケースがあります。この実験ではブレード先端速度を100mm/s から10mm/s に減少させて流動速度を変化させています。
図2では石灰石(limestone)が最も流動速度減少に敏感ですが、これは恐らくはこの物質の圧縮性の増加と空気の除去に起因していると思われます。ポリマー(polymer)はほとんど流動速度の影響を受けないようにみえます。ラクトース(lactose)は潤滑剤-ステアリン酸マグネシウム-の添加によって挙動に変化がみられます。添加の場合には流動速度とともにエネルギー必要量が増加し、流動添加剤を含む粉体の代表的挙動を示しています。
低い流動速度において高いエネルギーを必要とする粉体は一貫した取扱が困難であることが多く、そのような粉体はしばしばBFE値の3倍から4倍の流動エネルギーを要します。その例が石灰石です。

図2.流速試験による流動エネルギーの変化(石灰石、ポリマー、ラクトース)
粉体中に介在する空気が放出されると流動特性に大きく変化をもたらし、流動を妨げます。これは長期間の貯蔵、輸送あるいは振動環境での取扱、貯槽やホッパー中での直接加圧などの結果として起きます。特に振動環境の場合に、粒子は結合が密になり、流動を可能にするせん断に対して抵抗性を増すことさえあります。
図3は2種類のタルクの流動エネルギーがタッピングまたは直接加圧による圧縮でどのように変化するかを示しています。通常のタルク(Standard)と微細化したタルク(Fine)とを比較しています。いずれのタルクも0.1barに加圧した場合にはエネルギー必要量が5倍から6倍になっていますが、タッピングの場合には挙動が非常に異なります。微細粉は比較的かさ密度が低く、空気を保持する能力があるのでタッピングの影響を受けません。このケースでは重力は微細粉の凝集力に打ち勝つことができないことが分かります。

図3. 圧縮条件の違いよる2種類のタルクの流動エネルギーの変化
測定容器底部にステンレスの多孔質板を設置し、そこから流量をコントロールされた乾燥空気を送ることによって通気挙動を調べることができます。図4は3種類の異なるタイプの粉体に対する通気の影響を示しています。触媒(Catalyst)は容易に流動化し、わずか0.1cm/sの空気流でエネルギーが劇的に減少しています。二酸化チタン(Titanium dioxide)は触媒とは異なりますが、この凝集性の強い物質でさえ通気によってエネルギー必要量がかなり減少することがわかります。石膏(Phosphogypsum)はあまり影響を受けていません。

図4.通気による3種類の粉体の流動エネルギー減少
通気の程度と圧縮の程度を変化させて2種類の粉体のエネルギー必要量を測定しました。食品用香料(Flavouring)の場合、エネルギー必要量の範囲は圧縮時の3674mJから通気時の29mJ、すなわち127:1の変化を示します。凝集性のある通常の小麦粉(Plain flour)の場合にはこの比は7.4程度になります。

図5.2種類の粉体を通気から圧縮させた場合の流動エネルギーの変化
粉体が保持する空気を放出する能力を知ることは極めて重要ですが、これは粉体ごとに大きく異なります。空気を放出する速度は脱気試験で測定でき、その例が図6のように2種類の粉体で示されます。触媒(Catalyst)は容易に空気を放出しますが、セメント(Cement)は4回もの脱気サイクルを経てようやく放出しています。

図6.通気しておいたサンプルからの脱気サイクルによる空気の放出過程


