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ナノ粒子・タンパク質の測定原理

ナノ粒子、蛋白質、高分子ポリマーなどの重要な物性の一つである「粒子径」は、液中に分散している状態であれば「動的光散乱法」により測定が可能です。
また、蛋白質、高分子ポリマーについてはその分子量を「静的光散乱法」により測定することが出来ます。

下に溶液中における粒子の検出の様子と自己相関関数(g(2)-1)の図を示します。
相関をとる時間Δtが小さい場合、粒子の移動はほとんど無く、散乱光強度の変化がほとんど無いので、自己相関関数(g(2)-1)は1に近づきます。
またΔtが大きい場合、粒子は移動しますので、散乱光強度も変化し自己相関関数(g(2)-1)は0に近づきます。
粒子の大きさによって自己相関関数の変化がことなりますので、自己相関関数の減衰速度から粒子のストークス径を算出することができます。

動的光散乱法 図1
動的光散乱法 図2

動的光散乱法

動的光散乱システムでは、大きく6つのユニットから構成されます。

  1. 光源(He-Neレーザー:633nm)
  2. セルホルダー
  3. 検出器
  4. 減衰器(Attenuator)
  5. コリレータ(Correlator)
  6. コンピュータ

大きい粒子、高濃度の粒子では散乱光強度が高くなる傾向があります。散乱光強度が強すぎると、正確な測定ができなくなります。そこでゼータサイザーナノでは、散乱光を最適範囲に抑えるための減衰器を11個準備し、最適な減衰器を自動的に選択するようなシステムが採用されています。
高濃度のサンプルの場合では、散乱光がさらに別の粒子によって散乱されたり(多重散乱)、レーザー光自身が透過できなかったりする問題点があります。ゼータサイザーナノにおいてはレンズユニット全体を前後に移動させることで、最適な位置を選定するシステムを採用することで、濃い濃度のサンプルを希釈することなく測定することが可能になりました。 ゼータサイザーナノS90およびZS90は90°モデルです。これらは90°配置の他の装置との比較の継続性を保つために設けられています。

NIBS

Non-Invasive Back-Scatter光学系(NIBS)⇒非接触後方散乱光検出系。試料の入ったディスポーザブル・プラスチックセル、又はガラスセル(10mm)に外側よりレーザー(633nmまたは532nm)を照射します。試料の入ったセルには接触せず、照射したレーザー光の後方散乱光を最適な条件で検出する、これらを全て自動的に行なうシステムがNIBSです。

静的光散乱法

静的光散乱法は、溶液中の高分子が占める割合を、単位時間における散乱光強度として検出する方法です。さらに、散乱角度や濃度が違うサンプルを使用することで、分子量や第二ビリアル係数を求めることができます。
散乱角度や濃度と、分子量、高分子の分散状態を示す第二ビリアル係数との関係式は次式で示され、この式をレイリーの式と呼びます。

レイリーの式

  • K:光学定数
  • C:高分子濃度
  • Ra:溶媒のレイリー比
  • M:分子量
  • A2:第二ビリアル係数
  • P(θ):角度依存的な関数

この式は濃度および角度に関する変数を持ちますが、角度を固定した場合は一次関数、濃度を固定した場合比例式となります。濃度と散乱角度変化による散乱光量変化を測定した場合、角度0度で濃度0の値が分子量を示します。これらの値をプロットしたものを、Zimm-Berryプロットと呼び、静的光散乱法では最も一般的な方法です。

高分子の大きさを示す場合、回転半径をよく用いますが、これは熱力学的に安定になるように折れ曲がった高分子における重心からの平均半径のことを指します。回転半径が大きい場合にのみ散乱角度の依存性があり、回転半径が30nm以下であれば角度関数P(θ)は一定とみなすことができます。角度を固定したシステムでは濃度変化のみによる分析となるため、操作を簡略化することができます。このプロット方式をDebyeプロットと呼び、ここから分子量や第二ビリアル係数を求めることが出来ます。

静的光散乱法 図
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